時刻の最果
そして数日後
携帯電話の持ち帰り許可が正式に降りた
僕は研究所での仕事を終えると一目散に携帯電話を家に持ち帰り修理に没頭した
まずは機械の構造から把握せねばいけない。
中を開けてみるとアンテナらしき物が内臓されている
あとは液晶画面と基盤
そして裏には電池とおぼしき物とICチップのような物がある。
構造は至ってシンプルだ
僕の頭脳があれば一晩もあれば大体把握できると思う
ただ問題なのが、この電池に電源を充電する際に必要な器具を作らなければいけない。
家のパソコンから電源を引っ張って充電する方法を取ろうと思う。
うーむ
コネクターとおぼしき場所にコイルが巻かれているのがわかる。
ここに直接金属端子をつなげばいけそうな気がする。
作業は明け方まで続いた。
「よし、意外と大した破損もなさそうだ」
あとは充電さえできれば電源が作動するはず。
パソコンからつなぐお手製の接続端子 をつなぐ
「さて、どうだ?」
........反応がない
「おっ!点いた!」
赤いランプが灯った
充電は成功だ。
あとはこの携帯電話の充電が終わるまで待つのみ
古代人の通信記録か
ワクワクするな
― 一時間経過 ―
よし、そろそろokだ
電源を入れてみる
シャラーン
電源と共にロゴが立ち上がる
【NTT DoCoMo】
ドキドキ
ひとまず一通り携帯電話の仕組みは理解したので使い方は何となくわかる
まずは通話記録からチェックする。
人の名前らしき文字と
数字の羅列が浮かぶ。
これはあまり見ても役にたたなそうだ。
次は電子メールを開いてみよう。 これは電子でやり取り手紙らしい。
「ん?」
電子メールの最終履歴が
2015/03/22
2015と言うと確か地球に
隕石が衝突した年じゃないか?
「うん、そうだ。」
どうやらこの携帯の持ち主は隕石の衝突を体験した
人物のようだ。
これは何か手がかりになる記録が見つかるかも知れないな。