セピア

　泰造が病院に着きナースステーションで花梨の容態を聞くとまだ手術中なので解らないと言う。
　なので手術室を教えて貰った。

　急いでエレベーターで看護師に教えて貰った手術室へと行くと既に他の家族の者達が到着しており、手術が終わるのを手術室の廊下にある長椅子に座り項垂（うなだ）れ、心配顔で待っていた。

「靖嗣（やすし）君大変な事になってしまったね。ちなみに花梨は大丈夫なのだろうか？」
　と泰造が心配顔で聞いた。

「あっ、お義父さん僕も今来たばかりなのですが、花梨は手術中でまだ予断を許さない状況なんだそうです」
　と花梨の父親である靖嗣は答えた。

「お父さんどうしょう。花梨がこんな事になるなんて」
　と花梨の母親であり、泰造の実の娘である有莉禾（ゆりか）が憔悴（しょうすい）しきった顔で言った。