セピア
第6章-和風テイスト
 すると李はニッコリと微笑んで
「じゃ出かける前に着物に着替えましょう」
 と言って李は立ち上がり襖(ふすま)を開けて隣の部屋から2・3枚着物を持って来た。

「さあ花梨ちゃんどれも私のだけれど好きな着物に着替えてね。あっ、その前に少ーしだけ着物の柄の説明をする事にしましょうか?」
 と李は着物を手に取りながら言った。

「まずこの着物はレーヨン素材でりんずの梅と菊の花の柄ね。ちなみにりんずと言うのは朱子織(しゅすお)りと言う浮きが多い模様になる織り方の事なの」
 そう説明されて着物を見て見るとなる程梅と菊の柄が浮き出た感じになっていてしかもとても綺麗なブルー地をしている。

 そして次に
「これはね。レーヨン地の一越(ひとこし)ちりめんと言うの。ちりめんと言う生地は花梨ちゃんにも解るわよね?ちなみに一越(ひとこし)と言うのはしぼが細かいと言う事なの。つまりは織物の表面に表れた細かい凹凸(おうとつ)の皺(しわ)がとても細かい生地と言う事ね。
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