サクラのエリコ
「いや、自業自得だし。あんた結構童顔なのによくいままでばれなかったよね」

「そこは経験とメイクの魔法ですよ」


「で、これからどーすんの?」


「しばらくここに置いて♪」


エリコはいつもキャバで上客におねだりをする時の仕草ではにかんだ。


「いいよ〜世間に忘れられるまでここにいな」


「あ〜そりゃ10年くらいかかるわ」


カスミが嫌な顔一つせずに快諾してくれるのはわかっていたが、やはり嬉しかった。


「そうだエリコ」


「にゅ?」


「あんたうちでバイトしたら?今募集してるよ」


「え〜サクラ?」


「うん。あんたのキャバでの実力があればたぶんトップのサクラになれるんじゃねえ?」


「サクラのトップとかマジヤベえし」


キャハハ、と笑ったものの、それも悪くないかもしれない、とエリコは思った。カスミと一緒に働けるのも楽しいし(カスミを以前キャバに誘ったが断られた)ちょっとサクラのバイトにも興味があった。


エリコは翌日、証明写真を撮り、コンビニで履歴書を購入した。
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