サクラのエリコ
「まぁ、あなたの話を聞く限りじゃ自業自得ね。彼女にはそうでもしなければあなたを追い越せる自信がなかったんでしょ」


「いや〜」


真奈美に肯定されると心強いというかなんだか照れる。エリコはどこか彼女の事を尊敬しているのかもしれない。


「でも」


真奈美はタバコをもみ消すと、身を乗り出しエリコの頬をつまんだ。



「ふに?」


「顔を殴ったのはいただけないわね。夜の女は顔が命なのはあなたが一番よくわかってるでしょ?」


静かな言い方だが強い感情が込められている。


「ふぁああいごめんなさああい」


「いい?未成年、ってバカにされたり差別されるのが嫌ならガキっぽい事するんじゃないわよ。大人のルールを護れるようになってから偉そうな事やんなさい」


そういい終わると最後にキュッと頬をつねった。


「はい…ごめんなさい」


頬がジンジンする。しかし真奈美の言う事はエリコにとって心底響くものだった。


「ま、わざわざ誤りに行く事はないと思うけど。未成年かどうか調べずに雇ってたマネージャーも責任があるし、智花に関しては自業自得だし」


再びタバコをくわえると火をつけ、一息吸い込んでから


「ただ…」



「ただ?」
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