サクラのエリコ
「智花の仕返しだけは注意しなさい。あの子根本的に性格が歪んでるから。自分が悪いなんてこれっぽっちも思ってないでしょうよ」


「そうですねえ・・・」


「腐ってもNo2だったんだからね。こっち系の客に知り合いだってあるだろうし」


そう言って人差し指で頬に傷を付ける仕草をして見せた。


「しばらく大人しくしてる」


「エリコだってその気になれば向かい撃てる人脈くらいあるだろうけど…お互いが第三者立てたら大事になるでしょ?」


「うん」


「まあ何かあったら連絡してきなさい」


「ありがと、真奈美さん」


エリコはあまり母親の事を覚えていないが、もしいたら真奈美のような女性だったらよかったのにな、と思った。五歳くらいしか年が離れていないはずなのだが、彼女にはそれくらいの抱擁感というか懐の深さを感じた。
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