サクラのエリコ
「ちょっとエリコ、なんでこれだけ実名出してんの?」


カスミがモニターに指差したところにはエリコが作ったキャラのプロフィールが書かれている。

そのうちの一つに


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名前:エリコ
年齢:20
身長152cm
3サイズ B88W59H85
メッセージ
元キャバ嬢です。仕事辞めて暇してまーす。お客さん相手疲れちゃった、ほんとの私を見てくれる人募集しま〜す。フィーリングが合えば会った日にエッチ、なんてのもありかな(^^)v
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「しかも身長以外の数字デタラメだし(笑)」



ケタケタと笑うカスミ。



「りありてぃを追及したんですよ!」



エリコは照れ隠しにカスミの肩をバシッと叩きながら言った。
エリコが本気さと恥ずかしさをごまかす時にやるクセだ。


カスミはそのクセをよく知っている。
だから彼女が間違って書いたものではないとわかっていたがネタとして笑わずにはいられなかった。


「知らないよ、キャバの時の客にバレても?」


そう注意しながらもニヤニヤした顔をするカスミ。


「そん時はその客も今度はこっちでお金出してもらえばいーじゃん♪」


「たくましい(笑)」


「できたらマジでキャバの客も引っ張りたいくらいよ。せっかく指名客かかえてたの無駄になったしさ」


思い出すとまたムカついてくる。一年かけて必死で掴んだ客を全て無駄にした。
頭の中にバカ笑いする智花の顔がちらつきさらにムカついた。
しかし彼女が顔面に鼻骨骨折用のギプスを付け、バットマン見たいな顔をしているのを想像すると笑えた。
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