サクラのエリコ
やっべぇ超ピンチ、えまーじぇんしーアタシ。


以外と余裕がありそうだがそうでもない。
たまに切羽詰まった時ほど余裕ぶって自分を落ち着かせようとするタイプの奴がいる。
エリコはまさにそんなタイプだった。


すでに拉致の主犯は智花だとわかっている。
しかし彼女は先程から一言も話さない。

鼻にしていたのがバットマンギブスじゃなく、絆創膏だったのがちょっと残念だった。


しかしいい大人が大人数で未成年を誘拐とはご苦労なことだ。



エリコはとりあえず暴れるのはやめていた。
無理に暴れたって男が5人もいるのだ、かなうわけがない。
無駄に怪我をさせられるのもバカらしい。


ふとリアウインドウに目をやる。そこには蜘蛛の巣のようなヒビが走っている。
カスミが投げた缶コーヒーの当たった部分だ。

カスミならきっと今頃自分を助けるために奔走してくれているはず。

しかし間に合わなかったら…結花はきっとキツイ仕返しの方法を企んでいるであろう。
この男達に自分を輪姦させるかもしれない。
彼女の歪んだ性格なら当然の事のような気がする。
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