サクラのエリコ
しかし脚の甲なら、目線を相手と合わせたままいきなり踏めば意外と当たる。


「ギャッ!」


うずくまる男の脇をすり抜けざまに、入り口を見に行こうとした男の背に体当たりをする。
エリコも転んだが、そのままの勢いで起き上がり全力で入り口まで走った。


こういう時ここまでの行動を普通の16歳は起こせない。

しかしエリコはやった。


扉の向こうにいる人物がカスミであれば完璧だ。
しかし確立は低い。そいつを最後にどうやってやり過ごそうかと考える。



なにやってんのよ!っと背後で気が狂ったように叫ぶ結花の声がする。


うるさいバーカバーカと心の中で返すエリコ。
あいつあとで絶対ぶっ殺す。
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