サクラのエリコ
そうこうしている間に男の仲間がやって来た。
完全に形相が怒りモードだ。


エリコは今度こそやばい、と感じた。


「…?」


男達は坊主の男を見て怪訝な顔をした。


「誰だおまぇ?」


エリコに足の甲を踏まれた男がつぶやく。


ゲシッ


坊主頭は答える代わりにエリコを優しく降ろすと、おもむろに男の下顎を蹴り上げた。

まともに顎を砕かれ、卒倒する刺青の男。


「!?」


全員が呆気にとられている隙に、坊主頭はコンクリートの地面を蹴り、手前にいた男の間合いに飛び込む。

バキッ


右フックが男の顔面にめり込んだ。
そいつが倒れるより早く、続けざまに回し蹴りが三人目の男の腹部に炸裂する。

あっという間に坊主頭は三人の男をぶちのめした。


一瞬の出来事に他の者は呆気にとられてしまった。


「バカすげぇ…」


「バカじゃねぇぇ!」
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