サクラのエリコ
「おぅ、慶一郎か、ワシだ。今埠頭か?…おうおう。休みやるって言っといて悪いんだがな、ちょっと3番倉庫探せ…あ?3番倉庫だ」





同時刻、埠頭。


「え?3番倉庫っすか?いやわかんないっすよどれが3番か。白いバン?いや、はぁ…」


突然の組長からの電話に落ち着かない慶一郎。せっかくつれた魚を逃してしまった。


ブロロロロ


慶一郎の背後を荒っぽい運転の白いバンが走って行った。


「あ、白いバンいました」


「え?追え?いや無理っすよ俺今日徒歩っすよ」


男なら走らんかい!!!!!!!!


鮫島の怒声が、携帯の向こうから慶一郎の逆の耳まで駆け抜けた。


「そういうわけだコノヤロウ!!」


慶一郎はとりあえず怒りのぶつけ先を見つけた。


「鮫島さんですって…」


結花は完全に意気消沈してしまった。自分の作戦が潰された事と、今後迎えるであろう状況が彼女の顔から血の気を奪った。
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