サクラのエリコ
鮫島に一喝されると、マネージャーはビクっと体を震わせた。


「あれ、もしかして鮫島のパパ私が16だって…気が付いてた?」


「あたりまえだ。だからワシはおまえに酒を進めんかったし、口説いたりせんかったろう」


「そういえば!ただロリコンなのかと思ってた」


「こらこら、人聞きの悪い事いうな」


子分達の「そうなんですか!?」といいたげな視線に鮫島は慌てて言った。



「とにかくさ」


エリコは結花の目線の高さに合わせるため、しゃがみこんだ。


「あんたさ、がっつり化粧したり、お客さんに媚びたり、ライバル蹴落としたりにパワーかけすぎなんだよね」


「あ、あんたみたいな小娘に言われる筋合いは…」


「その小娘に一度も勝ったことないじゃない」


「くぅ」


「あんたにとって自分より上がいなくなることが勝ちなの?」


「そうよ!あんたさえいなけりゃ!」


「じゃああんたはいつまでたっても自分が成長する気はないのね?」


「…」


年下のエリコに反論できず、結花は歯噛みした。
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