サクラのエリコ
カシャッ


「?!」


エリコはもう一方の手で携帯カメラを使い、結花の涙と鼻水でグシャグシャになった顔を写真に納めた。


「今度こんな真似したらこの写真ミクシィに載せるからな」


「ヒドスwww」


カスミは思わず笑った、さすがエリコ、抜け目がない。



「さすがだな、上手くまとめやがってからに」


鮫島は満足気にエリコの頭をポン、ポンと優しく叩いた。


「うふー(//∀//)」


「ところでこのチンピラどもは?」


カスミの言葉に全員、あっと気がついた。どうやら完全に忘れていたらしい。


「うーん、こいつらはどうでもいいや。イラネ」


「ぇー」


五人の男達は情けない声を上げる。



「そうね、丁度海の側だし沈める手間かかんないね」

「おまえらヤクザよりこええな」


ちょっと引く慶一郎。


「あ、そーだ!鮫島のパパ、若い構成員が集まらないって嘆いてたわよね?」


「おうおう、最近の若いのは根性なくてな。ここ数年で残ったのは慶一郎くらいだ」


「じゃあこいつら鍛えたら?体力はありそうだよー」

「ほーう、ナイスアイデアだな。おいおまえら、東京湾に沈むかワシんとこで根性鍛えなおすかどっちにする?」


ほぼ選ぶ権利がないと言っていいほどの選択肢を迫られ男達は絶句した。




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