サクラのエリコ
「おまえにゃかなわねえな」


「鮫島さんといい私といい、あの娘が気になるのは思い出のせいだけかしら」


「どういう事だい?」


「あの娘自身の・・・なんていうかカリスマ性?」


「オヤジにもわかるように言ってくれよ」


「うーん、魅力って言いきると足りない気がするんだけど」


「ああ、なんとなくわかるぜ。気になるんだよなあ、あの元気のよさが」


「ほんと、若いって素晴らしいわね」




「おいおい、オマエまだ23だろうがよ」


「その辺の23歳の倍は老けてるわよ、心が」


「お互い新宿の毒に浸りすぎたかね」


「フフフ、そうね」


「ハッハッハ」



その焼肉パーティーは翌朝まで続いた。
終わりの頃にはいったい何人いたかわからない。
昼間の騒動を掻き消すようにみんな飲んで騒いだ。
こんな忘れられない出来事も、エリコの短いが濃い10代の中では1エピソードに過ぎないのだけれど。
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