my friend
「早瀬さんは、高校生なんですよね?」


だから、何?とでも言いたかったが、それでイメージが下がったら困る。


だから、お嬢様みたいに


「あ、はい。」


と答えた。


司会者との無駄な世間話を早く終わらないかと思いながら、適当に答えていた。


「それでは、歌っていただきましょう。」


マイクを持っていた手に力が入る。


…もう、頑張るしかないな。


「では、早瀬結莉さんで『ココア』です。」


聞き慣れた前奏が流れ始めた。


唾をゴクリと飲み込む。


美里がよく見える。


空は……晴れてる。


拓海くん、笑ってるのかな?


あたし、歌うよ。


大好きな美里と拓海くんのために…。


< 76 / 201 >

この作品をシェア

pagetop