生と死
そんな父親は、結婚をし、自営業も始めた。


生まれたのは3人の娘。


朱美、美由紀、希美子。


3人共、『美』がついてるだけあって、顔立ちの良い女の子だった。


いや、名前は関係無いか。


朱美達は、お母さんに似たのだから。





朱美のお母さんは、とても綺麗な人。

年齢より若くみえ、明るく優しい人。






だからこそ、朱美は思う。



何故、あんな見た目も性格も悪い男と結婚したのか。


お母さんは言った。




「そりゃ、付き合ってる時からこれなら結婚しないってば。まぁ、顔はあのまんまだけど…性格は良かったよ。田舎育ちの真面目な青年って感じ」

お母さんは、"奴"との第一印象をこう話した事がある。




人は変わるのか…




そう思うと、朱美は結婚する気が失せた。




将来こうなるなら、絶対結婚なんてしない。
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