生と死
フィリピーナは金で誰かを雇い、父親の車のタイヤを全部パンクさせた。


それが、酷いと一ヶ月に4回ぐらいヤラれた。


朱美が、中学生の頃。



タイヤのパンクの犯人は分かっていたが、一家はどうすることも出来なかった。



警察に言うも「証拠が無ければ、捕まえない。かと言って毎日見張る事も出来ない」そう返事が返ってくるだけ。



殺人でも起きない限り、警察は動かないのだ。




タイヤのパンクは、何年も続いた。


その度にお金が飛ぶ。


しかも結構かかる。



厳しい生活には、辛い額だった。




朱美は、そんな原因を作ってもなお、仕事にやる気も無い、フィリピーナと手を切らない父親を嫌った。



犯人はあいつ、と分かっていても責める事をしない。


いまだに、会っている。




お母さんが、可哀相。
朱美は、1番この家庭で踏ん張る母親を凄く尊敬していた。



いつも、子供達の前では愉快で優しい母親だった。


自分がヘトヘトになって帰ってきても、家族のご飯を作る。



朱美には、到底出来ないだろうなと思った。



そんな、頑張る母親に、何一つ感謝もしないで文句ばかり言う父親を、どんどん嫌っていった。
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