生と死
ある夜。
朱美が高校生の時。





朱美は、早めに寝ていた。


次の日、友達と予定があった為、今日はゆっくり寝ておきたかった。



そんな日に限って事件は起きる。





深夜2時頃――



『ドンドンドンドンッ』とドアを激しく叩く音と、チャイムを鳴らす音がほぼ同時に響いている。


こんな一家が寝静まった状態で、うるさく響き渡るのは当然だ。



家族は皆起きた。


母親、妹、朱美。



騒音に朱美は跳び起き、寝ぼけ眼のままドアホンを手に取った。



「うるせーよ!!何時だと思ってんだ!!どうせクソ女だろっ!!阿保が!!死ぬ!!くだらねー事してんじゃねーよ!!」

凄い勢いでまくし立てた。


さっきまで寝ていたとは思えない。


朱美は、寝ている夢の中でこの騒音を聞いて起きた。

すぐに、フィリピーナだと察知した。


跳び起きて考える間も無く、ドアホンに飛び付いた。
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