監察天使☆ネノ
…魔界に帰ってきて、半年。

親父が隠居したいという勝手な理由で王座を俺に譲り、事実上“魔王”になった俺。






ある日、親父が話があるから…と俺を呼び出した。


「婚約…ですか??」

「あぁ。
レーチも王に就いたことだし、横に妃が居た方が絵になるだろう??」


ニヤニヤ笑う親父。


…俺は、正直どうでもいいんだ。

会ったことない女でも、なんでもいい。

…どうせ、ネノじゃないんだ。

だったら、どの女も変わらない。


「わかりました。」


俺が部屋を出ようとすると、親父が呼び掛ける。


「写真、見たくないのかー?」

「結構です。
…ネノ以外だったら、みんな同じですし。」


ふてくされた俺を親父は見て『そうか。』と残念そうに言って…大笑いした。


──…ふざけんな。

人が傷心に浸りたい時に大笑いなんて…。


はぁ…と、ため息を吐き、俺は部屋を後にした。
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