監察天使☆ネノ
お風呂に入りながら、私はさっきのレーチの表情が忘れられず…ずっと、その事ばかり考えていた。


私は、レーチに早く幸せになってほしいの。

だから言ってるのに…。



レーチと私は隣のクラス。

寂しい気もするけど、これで良かったとも思う。



距離を置いておいた方がイイなんて、監察天使としては失格…かな。


「バカだな…ネノも。」


そんな独り言が広い浴場に響く。










気づいてしまった。


レーチの悲しい表情に私も悲しくなる理由。

レーチが触れるたびにドキドキしてしまう理由。

レーチが赤くなるたびに可愛いって思ってしまう理由。




私…レーチの事…


「だーめー!!」


バシャバシャとお湯をかき混ぜて自分の思いも消し去る。


ダメなの。

レーチは魔界の王子様。

ネノはポンコツ天使。






バシャッ…


これ以上お風呂にいたら、気がおかしくなると思った私は、湯船から出た。
< 25 / 111 >

この作品をシェア

pagetop