監察天使☆ネノ
ホームルームが終わってB組へ行こうとすると、レーチが既に廊下に居た。


「帰るぞっ。」


私の手を握って歩き出すレーチ。

気を使ってくれてるんだよね?

私が心配性だから。


「おっ、怜知〜♪
彼女と仲良くお帰りか!?」

「そんな可愛い彼女ととか、羨まし〜♪」


「うるせー、だまれッ」


悪ノリするレーチのお友達さんに、赤くなって言い返すレーチが可愛くてつい笑っちゃった。


「なんだよー…///」

「んーん。なんでもなーい!」


私達が歩いていると、来たのはやっぱり、。


「怜知くんっ!」


ミーラちゃんが私とレーチの繋いだ手を遮って間に入ってきた。


「怜知くん、ちょっといい??」


私を無視してレーチに話かけるミーラちゃん。

この子は昔からそうだったから慣らされちゃったけど。


「星影、ごめん。
俺、コイツと帰る所だから無理。」

「えー…いいじゃない??
ねぇ、おねがぃぃ〜。」

「ホンットごめん!!
見かけに寄らず、コイツ怖いんだよ。
待たせたら何されるか分かんねーしッ!!」


そう言って、私の肩に手を置いて歩きだす。


「じゃーなっ。」


ミーラちゃんに挨拶するレーチ。

私はレーチを見上げた。


「コホン。
誰が“見かけに寄らず怖い”のかしら?」


わざと首を傾げてレーチに聞く。


「だ…から、あれはー…。」


あたふたするレーチに私はもたれて腕を回す。


「嬉しかった…ありがとう。」

「ネノ、そーゆーのダメ。
期待しちゃうから。」


言われたから、離れて足を止める。


「ネノ??」

「期待…して、いいよ?」

「…〜!!」


レーチは私を引っ張って校門を出て、人気のない道まで来ると、私をギューって抱きしめた。
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