監察天使☆ネノ
“アレン”─…


ネノを振って、星影に乗り換えた…元、ネノの婚約者で…現、星影の夫。


「ネノ、久しぶりですね。」


アレンは俺に軽く会釈した。


「初めまして。
アレンと申します。」

「…どうも。レーチっス…。」


俺の中で“死刑確定”の印を押した男を見る。

銀色の髪に、スカイブルーの眼。
整った顔は穏やかそうで。

俺とは180°違いそうなヤツ。


「ちょっと、レーチ!
アレン様は大天使なのよ!?

もっと、礼儀正しく──…」

「いいんですよ。
それに、身分が高いのは彼の方ですし、王子。」


『あ…そっか。』と呟くネノに“忘れんなよ”…と突っ込みたかったが、今はそれどころではない。

少し頬を染めたネノを見て苛立ちを感じる。


「ネノ、久しぶりなんだろ?
だったら少し話してれば??

俺あっちのベンチで寝てるから。」

「レ…」

「ネノは“俺の”ですから、変な気は起こさないでくださいね、元婚約者さん。」


ネノに八つ当たりして、アイツにも八つ当たり。


自分のカッコ悪さにも苛立ちながらベンチから2人を見つめた。





─…ああ、そうか。

ネノは、いつも…こんな気持ちで俺と星影を見ているのか。


…なんで、気づかなかったのだろうか。


俺の『心配するな』って言葉を信じていても、ネノは不安だったんだ。

なのに、俺は自分の気持ちを押し付けて…。




浅はかな子供な自分が忌々しい。
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