監察天使☆ネノ
ネノは膨れていた。


なぜなら、舞踏会を楽しみにしていたのに、祖父母は城の庭で遊んでなさい…とネノを置いていったからである。

かすかに聴こえるワルツが更に彼女の機嫌を悪くする。



「君も1人??」

「…?」


振り向くと、身長がネノよりすこし高い男の子がいた。


「僕も1人なんだ。
舞踏会が嫌でさ。」


自分が出たかった舞踏会を“嫌”と言った少年にすこしイラつきを覚える。


「…ネノは…舞踏会、出たかったのに。」

「…??」

「ネノは、出たかった!
ネノも踊りたかったの!!
なのに……。」


涙が出かけたネノを見て、男の子は手を差しのべる。


「お手をどうぞ、姫。」

「……!!
…でも、ネノ…。」


男の子はネノの手をとると、腰に手を回した。


「大丈夫。
僕に合わせて。」


そして、会場から漏れてくる音楽に合わせて踊りだした。
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