監察天使☆ネノ
「ネノ、帰りましょう!」

祖母の声がして、立ち止まる。


「…帰らなくちゃ…。
……ありがとう。」


ネノは膝をすこし折り曲げてお礼を言う。


「…こちらこそ、ありがとうね。

僕はレーチ・ヴェリーズ・ヴァレッタ。」

「お、王子様!?」


驚くネノに苦笑いのレーチ。


「私はネノです。
…今日は本当にありがとうございました。」


去ろうとするネノを掴んでレーチは言う。


「次の舞踏会も…また、踊ろうね??」

「は、はい、是非。」


『約束。』とネノの頬にキスするレーチ。
















しかし、女の子が次の舞踏会も、その次の舞踏会も…王子の前に現れる事はなかった。
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