監察天使☆ネノ
「レーチ…は、モノじゃ…ない。」

「…!?」

「ねの…?」


私とは思えないほどの、低い声が響く。

不穏な空気を察したのか、周りにいた生徒も口を閉じる。

感情が高まって、風が強くなる。


「レーチは…ミーラちゃんにとっては、たくさん居る男の子の中の一人だろうけど…ネノにとっては、たった一人の大切な人なの!!」

「ぁたしにとっても、大切な人よ?

愛してくれるし。
ぁたしも、愛してる。」


いつになく、真面目なミーラちゃん。

本気で言ってるの?


「だったら、どうして、他の男の人も必要なの??

それって……。」


…あれ??

なんて言うんだっけ!


…男なら誰でもいいってゆう…??


「ただの、タラシ??」


羅菜ちゃんが後ろから言った。

そう、それ!!




「ネノみたいな、幸せな“天使”や“人間”の女が許せないから。

だから、奪うの。」


──…なんじゃそりゃ!?


「ネノが幸せに見えた??
だから、ネノが不幸になるのが楽しいの?」


ミーラちゃんは、楽しくても、幸せ??









人の恋人を奪い
偽物の愛情と、本物の憎しみを受けて、幸せなの??













「可哀想…。」


怒りを通り越し、呆れも通り越して、同情的な感情が芽生える。
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