監察天使☆ネノ
屋上に着く頃には2人とも呼吸が荒くなっていた。


「レーチ…どうしたの??」

「…っ。」


俺は我慢できなくてネノを強く抱き寄せてキスを落とす。


「たくさん…告白、されたんだろ??」

「…?うん??
でも、全部…断った。」


自分勝手な話だが、星影に心奪われていた間にネノが他の男に取られていたら…と心配した。


「ごめん、俺…自分勝手…。」


ネノを解放して、俺はその場にしゃがみこむ。

そんな俺を見て座り込むネノ。


「…ホント、自分勝手だね。」


怖いくらい落ち着いた声が聞こえた。

いつものネノなら『気にしないで、仕方ないよ』って笑い飛ばすハズなのに。


「なんで、ネノ…こんな自分勝手なレーチ……」


フワリとネノのシトラスの香りが俺を包みこんできた。


「……こんなに、だいすき…なの??」


涙声になっていくネノに抱かれて安心した俺は、つくづくヘタレだと思う。
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