監察天使☆ネノ
「ただいま…」


帰ると、何も知らないレーチの部屋に行く。


「…レーチ…いい?」

「ん…?」


ガチャ…とドアが開いてレーチが『入れよ?』と促す。


お決まりの、ベッドの上に私は正座。

レーチは椅子にすわる。


…というポジションで、さっきの事を口に…


「ぁの…ね、……やっぱりいいやッ」


…できない。

そんな悲しい事、言えないよ…。


「ネノ??」

「……。」

「もしかして、補講が全然ダメだった!?」

「……はぃ?」


何故にそうなる?

はははーと、笑うレーチを見る。




ああ…そうか。


レーチと居られるのも、あと一週間なんだね。

そしたら…お別れで。












でも。

嫌だけど、お祖父様には逆らえないの。

パパとママが亡くなって、家や学校やなんだかんだを手配してくれたのはお祖父様だもん。











レーチは私が居なくなったら、次は…もっと一緒に入れる人と……。













「…、ちょ…!?
泣くなって!!」


涙がこぼれてきた私を見たレーチは慌てる。


「…っ…だってぇ…」

「分かった、もう笑わないから…」


なんか、いろいろ間違えてとらえてるレーチだけど、どうやって修正したらいいか分からないから、何も言わなかった。
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