監察天使☆ネノ
帰りもまた、無言。


やだよ…レーチ。

何か話そう??

こんなのが最後なんて嫌だ…。


「レーチ…あの、」

「ネノ。
幸せになれよ…。

最も、一番ネノを幸せにできるのは、俺だから…二番目に…??」


繋いだ手がギュッと握られ、私は涙が溢れる。


「じゃあ…レーチも、ちゃんとお嫁さん見つけるんだよ??」

「………やだ。」


レーチは人が居ない道までくると私を抱きしめて、キスをする。

簡単なキス。

お別れの…キス。


「家についたらできねーかもしれないからな…。」

「うん…。」


このまま時間が止まってほしい…。













レーチ??

レーチを好きになって良かった。

レーチに好きになってもらって良かった。


ネノが居なくなって、好きな人ができたら…

その時は早く結婚しちゃって、誰の手も届かないようにしないとダメだよ。












まだ、見もしない“レーチの花嫁さん”に私は羨ましさでいっぱいになった。


「レーチには笑っていてほしいから…そんな顔、もうしないで??」


悲しそうなレーチの顔を見てるだけで、私はもっと悲しいの。


「じゃあ、ネノも笑って。
ネノが悲しいと俺はもっと悲しい。」


…2人とも同じ考えなんだねぇ…

私はおかしくて、笑った。

私が笑うのを見てレーチも笑った。
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