監察天使☆ネノ
新学期早々、いなくなると言った途端、大きな歓声が上がった。


「ねのちゃんを取り戻しに行くんだろー♪」

「頑張れ、怜知!!」


残念だが、その逆だ。

ただの自暴自棄で帰るんだ……。


…とは言えないから、ニコニコ笑うしかできなかった。











帰ろうとしたら、宮古に呼ばれた。


「あんたは、あれで良かったのかよ??」

「…王権を使おうとしたが、止められたんだよ。
魔王である親父に…。」

「そう、か…。」


宮古は俺に『じゃあな。』と言って去っていった。

あいつも、思ったんだろ。

“なら、仕方ないな”

…って。













俺は、ゆっくりと歩いて、ネノとの思い出ある風景を記憶に焼き付けた。


魔界に帰っても、ネノと過ごした1日、1日を一生忘れたくなかったから。
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