ずっとず一っと

「真依!!支度してよ」

「はいはい」

とか言うけどやる気ゼロ

家族が別々って嫌だ

あたしはお母さんに

ついてくことになったらしい

大人ってつくづく勝手

だって思う

本当はずっとこの家にいたい

お父さんに

「おかえり」

も言いたい

寂しいよ…

お父さん1人って可哀想

当然料理なんてできない

インスタントの食事に

なってしまうよ

お母さんが1番よく

分かってるはずなのに

胃が痛くてしかたがない

心配性がまたでてきた

「真依

お父さんにまた会えるよ

死んだわけじゃないでしょ」

涙が堪えきれなくなった

「中3のくせに泣くな

まだまだ会える

でもまだ一緒にいたかったな」
お父さんがあたしを

泣かせる

今までありがとう

よかったな

お父さんの子で

よかったな

お母さんの子で

「さあ真依

おばあちゃんちに

行こうか」

「うん

お父さんまたね」

「ああまたな」

車に乗って

ずっと手をふる

ずっとずっと

お父さんが見えなくなるまで

ずっとずーっと

手をふった

涙を手で拭きながら
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