キャンディ

な、何を‥
「は?なんやねん‥お前意味わからん」
「意味わからん?よう自分で言うたな」
ちょ、ちょっと‥
何か‥この空気はヤバい‥
「お前それ以上言うたらシバくぞ」
「シバけるもんなら、シバいてみぃや!」
え?ええぇぇぇ!
あ、アカンって‥
「二人共、もうやめようや」
勢いよく間に入っていき、二人の腕を掴んだ。

あぁ‥体が勝手に‥
二人にギロリと目を寄せられ、途中で止めた事を徐々に後悔していく。
掴んだ腕は直ぐさま振りほどかれ、重い空気‥
稚代子と将史は、お互いに睨み合いながら、フンッという感じで背を向けた。

どれくらい、耐えただろうか。
シーンとした気まずい雰囲気の中‥
将史がやっと口を開いてくれたかと、安心したのが束の間‥その空気は重さを増す。


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