キャンディ

彼。


見上げれば、雲ひとつない青い空。
いい天気‥

「颯ちゃんに早く会いたい」
この日が、とうとうやってきたのだ。

「もうすぐ来るやろ」
ちょっとは落ち着けよ‥と、呆れ口調で将史は明芽に言いつける。
だか本人も待ち遠しくて仕方ないよう。
「マーチ‥アンタの顔、いつもよりおかしい」
「あ?そんな事ないわ」
稚代子は呆れたように溜め息を吐き、将史の表情を眺めていた。

三人は颯太が来るであろう駅の前で、首を長くして待っている。
「まだかなぁ‥わあぁぁ」
もうココに座って一時間。
そろそろ来てくれな、待ちくたびれるわ‥
ドキドキと、ワクワクで、座って静かに待っている事すらできない明芽。
「あぁぁ、もう!キャンディ、うっさいねん」


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