キャンディ
「はー?なんなんよぉ」
口を尖らせ、将史を睨み付ける。
すると彼は、目が合う度に‥ア・ホ、と何度も口をパクつかせた。
「もう!マーチ!」
いつもの如くギャーギャーと、騒いでいる二人。
その間には、一人険しい顔をした稚代子がいた。
そんな妙な彼女に、先に気が付いたのは将史だ。
「稚代‥どしたん?」
その言葉によって、明芽も稚代に目を向ける。
「二人に言わなアカン事あるねん‥」
オドオドしながらも、彼女は思い切って口を開いた。
「あんな、実は‥」
だが、その瞬間‥懐かしい声が稚代子の声を書き消してしまった。
「よう!久しぶり」
その声に、明芽と将史は振り向き歓声をあげた。