キャンディ
突然後からポンッと肩を叩かれ、振り向いてみると‥いつもの彼。
「あ、マーチ」
「アンタ朝から爽やかやな、ウザイくらいやで」
眉間にシワを寄せ、うっとしそうに話す稚代子。
あぁ‥私のせいや。
チラッと稚代子の顔を覗き、その後将史に合図を送る。
「またか、お前」
耳元でボソッと呟き、頭を一発叩かれる始末。
「朝は弱いねんもん。ゴメン」
マーチというのは、畑山将史(ハタヤマ マサシ)。
幼い頃、マーシと呼んでいた私達‥なのに何故か今、マーチへと変わっている。
稚代子も、昔はチョコって呼ばれてたが‥いつの間にか、そう呼ぶ人はいなくなっていた。
私の右には稚代、そして左にはマーチ。
これが当たり前。
三人は毎朝遅刻組で、どこに行くにも一緒、どんな時でも一緒。
性格は全然違うけど、何故か気が合って、一緒にいると楽しくて仕方ない。
だから絶対!
これからもずっと一緒。