キャンディ

その後に続く彼の言葉に、明芽は目にじんわりと涙をためた。
「それ‥ホンマ?」
『おう!嬉しいか?』
嬉しいどころじゃない!
どうしよう‥
どうしよう!どうしよう!
「颯ちゃん、おかえり!」
『‥うん、ただいま』

「これからは、ずっと一緒におれるんやな!あは、嬉しい」
電話を片手に、一人ソファーの上で飛び跳ねて喜ぶ。
嬉しい!嬉しい!
むっちゃ嬉しい!

それから少しの間、昔話。
あの時は明芽がこうだった‥とか。
颯ちゃんがこうだった!とか。
そんな話が懐かしくって、楽しくて‥早く颯太に会いたくなった。

『んじゃあ‥また電話かけるわ』
「はーい!ばいばい」
ピッ‥と、電話を切る音と共に、両手を挙げて大声を叫んだ。
「颯ちゃんが帰って来るー!」



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