君はヴァンパイア
「マ…オ?」
私はくっきりと歯形の残った首筋を押さえながら言った。
うそ…
嘘だよね?
だってマオは人間だよ?
こんなの…まるでヴァンパイアだよ?
嘘だよ…絶対…夢みてるんだよ、私!!
「悪い…」
マオが真っ赤に染まった口を開いた。
"悪い…"
つまり…否定じゃない。
つまり…マオは人間じゃない。
「う、嘘でしょ…?」
そう口では言ったもの、足はガクガク震え、その場にへたりこんでしまった。
…いつから?
マオはいつからヴァンパイアになったの?
「嘘じゃない。俺は…あの日から、ヴァンパイアになってしまったんだ…」
悲しい顔。
「俺は最低だ。美雨を傷つけた。」
そう言ってマオは私の前に腰を下ろした。
顔は見えないけど、マオは震えていた…