君はヴァンパイア
「アンタ、さっき俺を呼んだろ?用があるんじゃないのか?」
「あら、ちゃんと私の声が聞こえたのね。偶然じゃなくて…」
そう言うと、女は俺の体を上から下まで眺め、ため息をついた。
「いーわ、ボウヤ。人間にしては珍しく美しい…うん、ボウヤ、君に決めたわ。」
女はにっこり微笑むと、少しずつ俺との距離を縮めていった。
俺はなぜか危険を感じ、後退りした。
「な、なんだよ、俺に決めたって…?」
背中に汗が伝う。
「ふふふ…♪」
体が震える。
「何を決めたんだよ!?」
大きな声が出た。
多分今まで生きてきて1番だろう。
あぁ、俺ってこんな大声でるんだ。
とか思った瞬間。
それは一瞬だった。