君はヴァンパイア
首筋が…熱い…
俺の血…
飲まれてんだ…
頭は不思議なくらいハッキリしていた。
冷静に、今の状況を考えていた。
「ふう、美味しかったわ。」
女の口が離れた。
殺してやろうと思ったけど、グラリと揺れた視界。
「ク…ソ…」
倒れた体、支えたのは女。
「ねえ、聞いてくれる?」
「んだよ…」
消えそうな意識の中で答えた。
「生き残って、ヴァンパイアになって、私を殺しに来てね?」
「…そのつもりだ。」
俺は、意識を失った。
そして瞬時に理解した。
戻れない。