君はヴァンパイア
違わないよ
「悪い…俺、俺…」
マオ、ガタガタ震えてる。
私を見ない。
下を向いて、ずっとずっと震えてる。
「マ…オ?」
「美雨…どうしたらいい…?」
マオは消えそうな声で言った。
こんなマオ、初めて見た…
「どうしたらって…ちょっと首筋噛まれただけで死ぬ訳じゃないんだし、そんなに謝らなくていいよ?私もマオをどうしようとも思ってないし。全然大丈夫だよ。」
「美雨…知らないのか…?」
「何を?」
「ヴァンパイアに噛まれたら…噛まれた者はヴァンパイアになる…」
「え…?」
う…そ…?
ヴァンパイアになるの…?
私がヴァンパイアになっちゃうの?
「俺は…取り返しのつかない事をした…だから、だから俺を殺し「言わないで!!」」
私は首をふった。
「言わないで!!言わないでっ!!」
「美雨…?」
どうしてだとでも言いたげな顔のマオ。
「"俺を殺してくれ"って言うつもりだったんでしょ!?」
私はマオのいつもの目を見て続けた。
「マオの方こそ知らないじゃない!!マオは…自分の命を何だと思ってるの!?」
「でも俺はお前の…美雨のこれからを奪ったんだぞ!?そんな俺を…お前は許せるのか?」
悲しい顔…
そうか…最近よく見せるようになったのはこの顔なんだね。
ずっとずっと…
マオは1人悲しんでたんだね。