君はヴァンパイア
ギュッ…
「お、おい!!」
ビックリしてるマオ。
そりゃあね。
いきなり抱きつかれたらビックリするのも無理ないよ。
でもね、今は抱きついていたいの。
「あのね…私って強いんだよ?」
「は?」
意味が分からないってマオの表情から分かる。
「男の子とケンカして見事に大勝利したこともあるし、皆が泣いて出てきたお化け屋敷だって泣かなかったし、それにそれに…えっと…」
なんだっけ?
言いたいことが多すぎて混乱してきた。
えーっと…
「…ははっ」
マオが笑った。
なんだろう…胸のつっかえが取れたみたい。
「も、もう!!笑わないでよっ!!ただつまり…私は強いからマオを支えられるよって言いたかったのっ!!」
私がぷーって膨れると、マオは私の頭を撫でた。
「こんな…ちっさいくせに。」
憎まれ口。
でもね、これって照れた時のマオのクセだよ?知ってた?
「ちっさくないよーだ。」
だから私も憎まれ口たたいてみた。
同じだよって。
違わないよって。