君はヴァンパイア
マオとお父さんが一緒にこっちを向いた。
な、なに?この雰囲気?
私かなりのKYみたいになってるんじゃない?
「あ…えっと、おかえり?」
「ただいま。じゃあこの際、美雨にも聞いてもらおうかな♪」
ニッコリ笑ったお父さん。
でも…聞くって何を?
「どんな話しなんだ?」
マオは私より少し離れたところに座った。
さっきまで…傍にいたのにね。
「あの日…マオが倒れてた日ね?その日にマオの話しを聞いて、マオはヴァンパイアになってるって知ったんだ。」
「…お父さん知ってたの?」
「うん…それで、すぐにでもヴァンパイアの"登録"をしなきゃダメだったんだ。でも…」
「でも?」
私はお父さんの顔を覗き込んだ。
するとマオに止められた。
…話しが進まないって?
分かったよーだ。
「でもね、マオはまだ小さかったからさ、まだ…その…ヴァンパイアの世界っていうのかな?そこには踏み入らせたくなかったんだよ。」
お父さんは一呼吸おいて続けた。
「だけど、逆にマオを傷つけてしまったね。ゴメンねマオ。」
「…別に俺は傷ついてなんかない。」
「ふふ、マオらしいね。じゃあ話しを戻すよ?…踏み入らせたくなかったから、この家に一緒に住むことにしたんだ。そのために…美雨?」
「な、何?」
急に話を振られてビックリした。
「美雨?腰を見せてみて?」
「腰?いいけど…このタトゥーのこと?」
私は制服のシャツを持ち上げ、タトゥーを見せた。