君はヴァンパイア
「じゃあ、僕は出かけて来るからね?」
「どこに…?」
「マオが思ってるような所じゃないから安心して?じゃあいってくるから。」
ガチャ
「あっ!!お父さん?」
家に入ろうとしたら、お父さんが出てきた。
危うくぶつかるとこだよ、ホント。
「ちょっと出かけてくるね。晩ご飯はカレーがあるから。」
「あ、うん。分かった。いってらっしゃい。」
お父さんはニコニコ笑って車で走り去った。
…ってことは、マオと2人っきりなんだ。
なんだか気まずー
「ただいまー」
玄関にはマオがいた。
少し目が赤い気がするけど、気のせいかな?
「マオ?ただいまー!!」
お帰りくらい言いなよ?マオ?
ホント無愛想なんだから。
「…お帰り。」
マオはリビングに向かって歩いて行った。
「ちょーっと待ったぁー!!」
マオの服をつかんで呼び止めた。
…今朝、手を払われたのがちょっとだけあるから、ね?
「…なに?」
「なに?じゃなくて…」
マオが余りにも私の顔を見るものだから、口ごもってしまう。
「話さないなら俺が話していいか?」
珍しく、マオから話しかけてきた。