夏恋〜大好きな君へ〜
ニッコリと微笑んだ彼女は鞄を置いて、僕の元に駆け降りてきた。
「あっ…!」
「あぶなっ…」
駆け降りてきた彼女は勢い余って滑り、僕の元に落ちてきた。
「……っー…」
「だ、大丈夫?」
体を起こして顔を見ようとすると俯かれてしまった。
…久しぶりだから合わせにくいのか?
でも僕は見たくて
無理矢理だったけど頬に両手を持って行き顔を上げた。
すると彼女は―…
「夏江ちゃん…………ないてるの?」
目を赤くして頬に涙をポロポロと流している姿があった。
「…っひくっ……っあ、あいたか、たよ…!ずっと…さ、探してたっ……ヒクっ…」
泣きじゃくる夏江ちゃんをぎゅっと抱きしめた。
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