夏恋〜大好きな君へ〜


あの日、五年前の夏から

夏江ちゃんがアメリカに発つと同時に僕の時間は止まってしまったような気がしてた。


あんなに楽しかった数日間が夢みたいで

いつだって頭の中は夏江ちゃんのことしかなかった。

それでも時間は過ぎていき、五年という月日を過ぎたなかで

こうしてまた出会えたの


運命だから。

そう信じてもいいよね。


僕たちは出会ったあの頃から結ばれる運命だったと。




―――――――――

「会えなかったらどうしようかと思った…。
去年も一昨年も来たのに、爽司くん、来てないって聞いたから……」


互いに誰も入ってこれないくらい強く抱きしめ合ながら、夏江ちゃんは言った。





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