夏恋〜大好きな君へ〜
「ありがとうございます…」
小さく微笑んだ姿に僕はドキンと胸が高鳴った。
『そうーーっにぃーー!!』
ツインズの見事にハモっている怒鳴り声。
地元なんだから道分かるんだから先に帰ってればいいのに。
「ハハッ呼んでるから早く行かなきゃね」
「うん。ごめんね」
「そんなっ!引き止めたのはあたしです。こちらこそごめんなさい」
ペコッと頭を下げ謝る夏江ちゃんは礼儀正しいんだと思った。
さっきアイスあげたときもお金払おうとしてたし。
「じゃ」
と二度目の挨拶をして歩き始めた僕はもう一度後ろを振り返った。
「夏江ちゃんっ」
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