夏恋〜大好きな君へ〜
「爽司っ!!」
後を追ってきたのか、少し息が上がっていた。
「…基…どうしたの」
「いや…その、言いたいことあって」
息を整えながら僕を見つめた基。
その真剣な眼差しを向ける基に僕は緊張が走った。
「もう…いいんじゃないか?」
「…何が」
わかってる。
基が言いたいことくらい。
それでも…
信じたくなくて聞き返してた。
「だから…もう夏江をまたなくてもいいんじゃないか?」
「…どうして」
「五年も夏江を待ってる爽司みてると辛いよ。
夏江もっ―…」
基が言い終わる前に僕は基の口を塞いだ。
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