夏恋〜大好きな君へ〜


「…か……かえ?」


「そうだよ!!」


「忘れちゃったの〜?爽兄の彼女じゃん」


はは…まさか。


夏江ちゃんがここにいるわけないじゃん。


アメリカにいるんだから。


戻ってくるなら連絡の一つや二つ入るはず…。


『爽兄?どうしたの?』


まさか



まさか。



本当なわけ…………。


「爽兄!?どこいくの?!」


気づいたら走り出していて春香ちゃんの声なんて全く耳に入っていなかった。


夏江ちゃんがいる。


そう思っただけで泣きたいくらい嬉しかったんだ―…。










―――――

「あーあ。爽兄行っちゃった」


「俺らは爽兄に言っちゃったな」


「口止めされてたけどねー…」


「爽兄の顔みたら、こうポロッってでたんだよ」



残された双子はそこに立ち尽くし話していた。


『…夏江姉ごめんねー…』





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