待っていたの
ポスンと自分で用意した、クッションに背を預ける。

その横に座ろうとした、黒麗だがその瞬間に陛下に手首をつかまれて、陛下の側に引き込まれる。


「きゃ…!」

陛下の胸板が、目の前にある。


正直…陛下の側より黒麗の側がいい。


「白夜…彩は僕が招待したんだ、きみの側室選びのようなこの場に、彩がいたってなんの問題もないだろう…?」

「側室…?問題あるのではないですか黒麗さま」

「きみが許可しないと側室は後宮に入れない」

「あ…陛下がいいのなら許可します、かわいいお姫様ばかりですし…いいのでは?」

踊る姫達を見て、そう評価した彩。


依然として陛下の腕の中だが。


「ほら、選びな…僕は彩と、きちんとお話しして…玉や衣装の供給を話し合うから」

「それは、俺達が決める…彩には関係ない」

「彩が適任だよ、高価なものをちゃんとわかってる、理解してる。美しいものも」

「まだ、早い」



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