待っていたの
「恋愛感情なんて抱きませんよ、そんなに身の程知らずではないです鑑賞用です」

きっぱりとした口調で言う彩の鑑賞用の言葉に、面を食らったようにした後、口を押さえて笑う。


ゆうに10分は笑っている。
その間に、白夜の寝室にある寝酒を準備をしていた彩。
カップに少し注ぎ、マカロンやピーナッツの入った入れ物を拝借して出すには十分過ぎる時間だった、まだ笑いが収まらない白夜。

「鑑賞用か…なるほどそれなら害もないな…ククク」

口許にゴツい手を色っぽくそえ、笑いを我慢して肩を震わせている。


「しかし、適応能力は高いな、明日も頼む…明日は早い、お前の部屋にもシャワーはあるから浴びて適当に着替えて寝ろ」

自分の酒を差し出す。

(あ…優しい。悪い王様じゃない?)

酔っ払って寝ろということだ。


笑ったらかわいい白夜と、水滴のついたグラスを弄ぶ指先が色っぽくて、もともとカシオレで精一杯の身体がクラクラとすぐ酔っ払う感覚がした。



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