待っていたの
水やりも終わり、手を洗い次に向かうのは図書館。


数冊の本を取り出し、後宮の一角にある東屋に本を広げると、翠翠がお茶とお菓子の準備をする。


「ありがとう」

そう彩が言うと翠翠は嬉しそうに下がっていく。


白夜の存在など無いように本を読み進める彩を、肩肘をついて穴の開くほど見つめる。


「月妃、この国をどう見る」

「それに答えられるほど、国を見てません」

「今どう感じる?」

「奴隷など廃止されるべきです、法を守らない官吏も女をモノと扱う人も」

実は女をモノと扱いながらも、大抵の家庭はカカア天下なのだ、この龍国も例外ではない。



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